ある夏の終わりの夕方、
芝公園の近くを男と歩いていたら、彼が「栗の花の匂いがする。」と言った。
彼は東大卒だった。
専攻は工学系だった気がするけど、読書家で
私の得意な分野のことも詳しかった。
東大卒を鼻にかけている節があり、
常に自分の方が上だと言う意識がありそうだった。
彼は最近よく読んだ本の話をしてくれて、
内容に反応すると
「よく知ってるね。」
なんてふざけたことを言ってきた。
彼に「栗の花ってなんの匂いと一緒か知ってる?」って尋ねてみた。
彼は「知らない。」と答えた。
きっと、地球が学歴だけの馬鹿男を孕ませるために精子と同じ匂いの花を誕生させたんだ、って思った。
そして、今日も、街にはまだ、あの匂いがする。
少しは賢くなった?渡辺くん。
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