2020/05/05

キープ・イン・タッチ

大学4年生の時、就活でいろんな企業を受けた。

コンドームを売って、飯が食えたらなんかうけるなと思って、あの有名なコンドームのメーカーも受けた。
その企業説明会の時に、公務員みたいな事務的なセックスをしそうな見た目の女の人が「皆さん、弊社はどんな企業だと思いますか?コンドームの会社だと思ってますよね?私たちもそう思って入ったんです。」と言っていたのが、記憶に残っている。話を聞くと、コンドーム事業は社内では一番小さく、他にもいろんな物を作っているようだったが・・・

一次面接は学生2人に対して1人の面接官で行われた。私の面接官もまた事務的なセックスをしそうな地味な男性だった・・・。

面接が終わり、一緒に受けていた男子学生とその企業を後にした。
その日は雨が降っていたのだけれど、面接が終わった時には止んでいた。会社のエントランスに置かせてもらった傘を私はちゃんと持ってきたのだけれど、男子学生は忘れてしまったようで、帰っている途中、傘を取りに急いで戻っていった。

駅に行く帰りの信号を待っていると、さっきの男子が今度は傘を手にして話しかけてきて、また一緒に帰ることになった。全く知らない人と他愛もない話が延々と続くわけもなく、沈黙ができたので、お腹すいたなー!と言うと、なんかご飯食べて行きますか?と返してきた。
私は、この子、なんだか人懐っこい子だなあと思って、それより飲みに行こうよと言って、駅近くの松屋で飲むことにした。

ビールを飲みながら、就活の状況とか、さっきの面接のお互いの反省点を話したり、どうしてコンドームの会社を受けてるのかとか、いろんなことを話した。
空きっ腹にお酒が入って、ちょっと酔っぱらったので、Oくんは恋してる?彼女とかいるの?と聞いたら、いないと言ったので、どれくらいいないの?と聞いたら、生まれてから一度もいないと言っていた。
え、コンドームを一回もまともに使ったことがないのに、この会社受けたの?それはまずいね〜。うける〜。と返しておいた。

その後また飲みに行こうねと言って、連絡先を交換して駅で別れた。
ちなみに二人とも面接には落ちた。社会人になるまでに再会することはなかったけど、大学を卒業したタイミングで連絡を取ったので、童貞も卒業した?って聞いたけど、そっちは卒業していないようだった。

そろそろまた聞く時期が来たかもしれないなと思う。