2025/08/08

オカルト特集No.6| 連れ去られたくて、見上げていた

浦安から都内に帰る道を父の運転で車で走っていた。

大きい道路はそこそこ混んでいて、車はゆっくり進んでいた。


ふと父が

「なんだあれ?」

って空を指さした。


空がうっすらピンク色に染まっていて、ちょうど日が落ちる寸前だったと思う。

飛行機じゃない。雲でもない。

ひとつ、銀色のダイヤモンド型の物体が、空に浮かんでいた。


今でいうと、ドローンの様に一点に止まって浮遊していた。

当時はドローンなんかなかったと思うし、明らかにヘリコプターでもない。


しかもその謎の浮遊物体は回転しながら、浮遊していた。

ちょっとだけ光っていて、でも音はしない。

不思議と怖くなかった。むしろ、きれいだな、と思った。

で、母がフィルムのファミリーカメラ(当時の主流)で撮ろうとしたら、

いつの間にか消えた。

フェードアウトじゃない。

まるで誰かがリモコンの「オフ」ボタンを押したように、パッと。


一緒にいた両親もそれを見ていた。

「あれUFOじゃない?!」

という話になった。


いまでも覚えている。あれは、家族の間で共有された、確かな“異物”だった。


子供の頃の記憶だから確かではないけど、

サイズ感はリトルグレイなどの宇宙人でも搭乗できなさそうだった。

たぶん無人偵察機だと思う。


もしかしたら、ステルスモードが壊れていたのかもしれない。

あんなに堂々と姿を現すなんて、何かの事故だったんじゃないか。

あるいは、ほんとうに「見せたかった」のかもしれない。


正直に言うと、

私はちょっと――攫ってほしかった。

できれば高待遇で。


異星のテクノロジーで一生ナイスボディにされて、

脳内チップで全世界の言語対応。

ぶっちゃけ顔は気に入ってるからいじらなくていいけど、

テレパシーでエロい会話ができる宇宙人の完璧なハズバンドが欲しい。


たまに思考に流れ込んできてほしい。

「今夜、迎えに行くよ」みたいな。

そうやって日常のスキマに介入してきて、

一度くらい連れてってくれてもいいんじゃないか、って本気で思ってる。


実際、私は信じてる。

だって消え方が「人間の技術じゃない」って感じだったし、

いままで何万回空を見上げて、あんな風に消えたものなんて一度も見たことがない。

それにUFO特集でもあんな形の飛行物体見たことない。


あれは、来てたんだと思う。

ちょっとだけ見せに。

もしかしたら“選ばれた”つもりになってほしくて。

あるいは、

ほんとうに選んでたのかもしれない。

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