2026/04/07

コーヒー一杯

昔、マッチングアプリで会った男が禿げていた。
その時点で、私は「ナシ」と判断していたと思う。

私はよく、自分の隙間時間に人を呼び出す。
その日もそうだった。少し不便な駅のカフェに来てもらった。
暇つぶしだったし、少しだけ負目もあったから、コーヒー代は私が払った。
早く帰りたかったから払っただけだった。

「女の子に奢られたの、初めて。」

彼は、驚いた顔でそう言った。

「今度は僕がご馳走するから、君から誘ってください。」

自分がナシ判定を受けていることを察して、
それでも関係の余地を残そうとする言い方だった。

それから数年経った最近、その男からDMが来た。
関西に転勤することになったらしい。

「ご馳走し返せなくて悲しい。」

たった一杯のコーヒーの話を、まだしていた。

彼はその後、マッチングアプリで知り合った女の子たちと飲み友達になり、
何度もフレンチを奢っているらしい。

それは健全な関係なのか、と聞いたけれど、
彼は「稼いでいるからいいんだ」と言った。

でも、その話をする時、
彼の中でそれは“特別な記憶”ではない。

たぶん、消耗として処理されている。

お金は関係を滑らかにするためのもののはずなのに、
ときどき、関係そのものを歪ませる。

人は、自分が差し出したものではなく、
自分が“想定外に与えられたもの”を記憶するのかもしれない。

フレンチは忘れても、コーヒー一杯は忘れない。

あるいは、あのコーヒーだけが、
彼にとって人間として扱われた唯一の瞬間だったのかもしれない。

——— ©️DSH / 2026

2026/04/01

Harder better stronger

今日赤毛のモデルの男の子と遊んだ。

餃子屋に行った。
モデルとしては成功してなくて、ラグジュアリーショップで働いてる子だった。

制服のまま来てって言ったら、そのまま来た。
すごいスタイリッシュなハンサムな子が餃子食ってる姿がウケた。

そのあと、カラオケに行った。
かっこいいけど歌は下手くそだった。

なんか全然エロい雰囲気にならないから、
時間が迫ってるときに歌わなくてもいいからノリのいい曲掛けようと思って
Daft punk のharder better strongerを入れた。

そしたら踊り出して、キスしてきた。

そのあとセックスした。

赤毛って、文学で
魔女扱いとか、淫乱な存在として描かれることが多い。

そういうモチーフになる理由がわかるくらい美しい身体をしていた。

肌が異様に柔らかかった。
ピンク色の肌に生えてる体毛がライトに当たるとオーラみたいに光ってた。

セックスは驚くほど正確で、退屈だった。

今までみた男性の身体の中で1番美しかった。

いい思い出。

家に帰ってきたあとも
彼の身につけてたdiorのSavageの香りが私にも染み付いてしまった。

Savageって名前の香水をつけてるわりには
機械的だった。

ほんとdaft punk のあの曲みたいな。

——— ©️DSH / 2026