2026/02/26
自分のことで泣けない女の子
2025/11/28
The Factory at Night
I inherited a factory, but I never really knew what to do with it.
Too big, too quiet.
A place I didn’t want anyone to enter, yet too empty for me to carry alone.
So I invited a DJ I knew and decided to throw a party.
It was my idea. My invitation.
I just needed a reason to open those huge metal doors.
More people showed up than I expected—
my friends, his friends, their friends…
The kind of crowd that appears from nowhere and somehow acts harmless.
They laughed, laid out food, helped clean up,
started sweeping the factory floor like they lived there.
Then they’d suddenly turn around holding some rusty part and go,
“Hey, can I take this home?”
That casual boundary-breaking.
No malice, just stupidity.
Story of my life.
From the start, I kept teasing the DJ.
Touching his shoulder, whispering in his ear, brushing against him on purpose.
He looked bothered in that pathetic, half-smiling way—
Like, “I’m kinda working right now…”
And yet, he couldn’t stop watching me.
The party was peaking when the atmosphere shifted.
There’s a moment when the air freezes,
when everyone is still laughing but no one is actually laughing anymore.
In the corner, my friend’s half-gangster little brother muttered,
“I found a perfect place to hide a body.”
Then I noticed them—
his crew, already downstairs, dismantling a corpse.
Quiet sounds of knives.
Thick, wet air.
That metallic-meat smell you can’t mistake.
A headache bloomed behind my eyes.
Great. Exactly the kind of annoyance I didn’t need.
The DJ tugged lightly on my sleeve.
“…Wanna get out of here?”
I invited him, yet he was the one inviting me to escape.
That imbalance—delicious.
Then a lone cop showed up.
A stupid face with the smell of authority all over him.
If he saw anything, the paperwork alone would kill us.
We hid behind some stacked crates.
All I could think was:
(They’re totally getting caught. Annoying. Not my problem.)
It felt like the world was destroying itself
while leaving only the two of us untouched.
Two bicycles were parked on the asphalt.
He glanced at me.
“Wanna ride?”
I didn’t bother answering.
I got on.
The deeper we rode into the property,
the less it resembled reality.
The factory grounds stretched far beyond anything possible,
until suddenly it turned into an abandoned indoor theme park—
like an empty mall in Macau or Ikspiari,
with a fake sky painted on the ceiling
and bits of light flickering like dying stars.
We kept going.
A tall fence appeared at the edge of the world.
Chest-height.
Jumpable, maybe.
“You know how to climb that, right?”
he said, in a voice too confident to belong to the guy I’d been teasing all night.
Strangely, I did.
I kicked off the ground—my body felt weightless—
and I cleared the fence like it was nothing.
On the other side, the air shifted.
Humid.
Like walking into a cloud of microscopic mist from some hidden machine.
A faint scent of water.
Warm, soft light—
not daylight, not artificial.
Something in-between.
Like a greenhouse at night.
We stopped.
Breathing.
Staring at each other.
(You know what we’re doing next, right?)
The thought hit us at the exact same time.
I grabbed his shirt and pulled him into a kiss—
hard, messy, hungry.
The humidity wrapped around us,
and we slipped straight into sex
as if gravity had finally made sense.
We ran from everything,
yet somehow that was the only place that felt right.
That’s when I woke up.
For a dream, it was disturbingly precise.
Cinematic, almost fun.
Except for the corpse part—
that was genuinely terrifying.
工場の夜
2025/07/09
地獄にしか止まらないエレベーター
これは夢の話。
でも、あまりにも現実っぽい夢だった。
それがタワレコだったのか、ディスクユニオンだったのか、よくわからない。
看板は赤と黄色のような気もするし、壁は黒く、フロアには誰もいなかった。
照明は薄暗く、BGMは流れていなかった。
でも私は「ここは音楽の場所だ」と知っていた。
店内で、現実でも知っている既婚男性と会った。もうひとり、田中という知人もいた。
彼らは普通に話しかけてきて、私は普通に対応した。
出口に行こうという流れになり、3人でエレベーターに乗った。
乗り込む直前、私はなぜか、飲みかけのルイボスティーを既婚男性に渡していた。
夢の中で彼は貧乏になっていて、それを気の毒に思った私は彼にペットボトルを渡した。彼は喜んで受け取った。
現実では、彼にふざけたように口説かれたことがある。
私は適当にあしらった。その一回限りでたぶん酔ってただけで、お互いに後ろめたいことは何もない。
夢の中で、
エレベーターは動き出し、何故か途中の階で田中が降りた。
扉が閉まり、既婚男性とふたりきりになった。
ふと猥雑な雰囲気になり、流れでキスをした。
エレベーターは上がったり、下がったりを繰り返していた。
誰も乗ってこない時間だけ、
「今だけならいいよ」
そんな空気が、ふたりのあいだにあった。
“不倫”という言葉が、まだ口にされる前の空気だった。
そして、扉が開いた。
タワレコの制服を着た知らないおばさんが乗ってきた。
でも、私はその顔を本当は知っていた。
かつて結婚しかけた男の、母親に似ていた。
その人は、初対面のとき、私に言ったのだ。
「あなたに息子を取られて悲しい」と。
地獄は、そこから始まった。
エレベーターは、どこに止まっても異形の空間に繋がっていた。
血まみれの床、光らない看板、肉のような壁。
どこかの階では、この世のものではない何かが襲ってきた。
私はアイテムのようなナイフを握っていた。
手裏剣のような形で、力強く握ると自分の手のひらも切れた。
でもそれで、化け物を倒すしかなかった。
一番深い階で、扉が開くと、そこは映画館のような部屋だった。
でも、椅子はなかった。
私はそのまま、エレベーターの中からスプラッタ映画を見せられた。
スクリーンには注意書きが流れる。
「最後まで鑑賞しないと、ペナルティがあります」
「あなたの反応はモニタリングされています⭐️」
私は怯えていた。
でも、怯える私の顔が、どこかで誰かの“コンテンツ”になっていた。
スプラッタ映画は7回分のチケット付きで、あと6回はこの地獄を見させられるらしい。
どうして私が?
エレベータに電車の車内アナウンスのようなものが流れる。
「赤羽経由、平和島行きです」
よく聞く、無機質な声だった。
エレベータは複数機あり、直通と経由線があった。
私は夢の中で直通に乗り換えた。地獄から抜け出したくて。
そういえば——
彼は現実で言っていた。
「妻はアーティストだったんだ」
「独身の頃は、道に落ちたブラジャーを定点カメラで観察する作品とか作ってた」
「でも、子どもができてからは家のことしないし、作品も作らなくなってさ」
私はそのとき、ああこの人は「毒のある女」が好きだったんだ、と思った。
でもその“毒”を、所有したいだけだったんだろう。
母になったら、毒が消えてつまらない?
それって、あなたが解毒したんじゃないの?
彼はある会社の社長らしかった。
自分の会社で、自分の妻から毒を抜いたのだ。
それで何も残らなかったことを、私に文句として話してきた。
結婚は、地獄のエレベーターだったのかもしれない。
手続きは簡単で、扉はすぐに閉まる。
上か下かもわからないまま、誰も来ない間にだけ、抱き合っていいことになっている。
誰かが乗り込んできたら、すべてが罰になる。
誰かの母親の顔をした店員が、笑いながら地獄を開く。
結婚はどこか違う階層に連れて行ってくれる気がする。
だけど、それは地獄でもあることがある。
2025/07/05
結婚は躁鬱だった
昼寝してたら怖い夢をみた。
夢の中で、私は結婚した。
ツアーで訪れた南スペイン、アンダルシアのまぶしい街で、
偶然出会った日本人のハイスペックな男。180cm、金融系、高学歴、保険証持参。
ラブラブというほどではないが、彼は私を好きだと言い、私は「まあ、試してみてもいいか」と思った。
好きだったかどうか、正直よく覚えていない。たぶん好きだった。でも信じきれなかった。
婚姻届は簡単だった。
ツアー中の宿の近くにある日本大使館に行って、数枚の書類を出しただけ。
結婚は驚くほどスムーズで、だからこそ怖かった。
変わるはずの何かが、何も変わらなかったから。
彼は旅行中、私を食事に連れて行ってくれた。
でも、帰国前に空港で「このぬいぐるみかわいいね」と言ったとき、
彼は買ってくれなかった。
言えばよかったのかもしれない。でも言えなかった。
セックスは楽しかった。
でも、愛されているという実感は、そのとき以外、どこにもなかった。
成田空港に着いたとき、彼は「じゃあ、僕こっちだから」と言って、
何の余韻もなく、消えていった。
まるで、もう二度と会わなくてもいいという感じで。
私はぽつんと残されて、こう思った。
「……私、籍いれちゃってる?」
⸻
現実では、私は誰とも結婚していない。
でも夢の中で“結婚”してしまったときの、
あの「終わりが始まりにならない」感覚が、今でも胸に残ってる。
指輪もなければ、式もなかった。
ただ婚姻届だけが、人生を変えたフリをしてそこにあった。
⸻
実際にも、似たようなことがあった。
ある男が、レコードを買ってくれた。
私が欲しいと言った婚約指輪も、見に行って、買ってあげるよと言ってくれた。
でも私は、彼のことが好きじゃなかった。
愛されていることと、愛していることは、別物だった。
その差があるうちは、何かを始めちゃいけないとわかっていた。
わかっていたのに、夢の中では籍を入れてしまった。
⸻
結婚って、報告するか、破局を告白するか。
そのどちらかしか語られない。
間にある日常の不満や、ぬいぐるみをねだれなかった気まずさなんて、
他人に言ったところで「見る目がなかった」「我慢が足りない」と言われるだけだ。
だから、誰もあんまり語らない。
結婚は躁鬱だ。
躁のふりをして始まり、
鬱のように語られて終わる。
でもその間の、“なんでもない毎日”の中で、
人は静かに壊れていくのかもしれない。